地域森林資源を活用したバイオマスエネルギー事業をおこなうことを目的とし、株式会社VESTA・CHP(株式会社ウェスタ、株式会社建設技術研究所の共同出資)を設立いたしました。創業事業として「VESTAプロジェクト」をスタートしております。
プロジェクトの第一段階として、熱電併給システム(CHP)を活用し、宮城県大崎市鳴子温泉にある「サスティナヴィレッジ鳴子」への熱供給と発電を行う、第一次熱電供給システム事業を行っています。サスティナヴィレッジ鳴子は3haの敷地内に地元材を使用した板倉造りのエコ住宅群で、現在は集合住宅16戸と戸建て住宅1棟、住民同士のコミュニティスペースとして活用できる研修棟と、VESTAプロジェクトのボイラー棟から構成されています。最終的に合計30戸、1施設以上にエネルギー供給を行う予定です。
第二段階は、第一段階で得たノウハウを活かし、CHPを活用した木材乾燥事業や木質ペレット製造事業、発電事業などを、宮城県栗原市にある宝来工場にて展開していきます。 宝来工場は、かつて小学校として使われていた場所を利活用して建てられた板倉造りの工場です。 工場には、丸太の製材からチップやペレットに至るまで、1本の木を無駄にしない「カスケード利用」を促進する設備が整っており、持続可能な木質バイオマスのあり方と、森林資源の循環を実際に見ることができるようになっています。最終的には、工場で消費するすべてのエネルギーを再生可能エネルギーに切り替え、化石燃料を使用しない地球環境に配慮した工場を目指しています。


VESTAプロジェクトが目指すのは「共生と循環」です。「もり」が生み出す木々は加工されて材となります。通常約50%しか有効利用できていない現状を100%の利用に変えること。この森林資源のカスケード利用による地域再生と、新たな産業創出、CO2発生0を目指した取り組みです。
VESTAプロジェクト導入のメリットは、従来捨てられてきた副産物や林地残材をエネルギーとして活用することで、これまで地域外から購入してきた「エネルギー」を地元産業にできることです。
サスティナヴィレッジ鳴子は日本初となるその実証の場なのです。
[ サスティナヴィレッジ鳴子 ]

VESTAプロジェクト実証の場として、熱電併給を行っている住宅群。 地元の森林資源から生まれる木質バイオマスを利用したシステムで、 サスティナブルな生活の実現を目指しています。
[ 宝来工場 ]
木質ペレットの製造と、発電時の排熱を利用して木材乾燥を行う工場。 森林資源を余すことなく使い切り、工場全体をオフグリッド化することで、 エネルギーの地産地消の実現を目指しています。
完成したばかりの宝来工場の一部を写真でご紹介します。